投資指標の種類

株価形成の重要なファクターのひとつである「配当金」をみる指標である。
現在はROEが主流であるが、当期の利益に対するバランスとしての位置づけとして認識しておくべきである。

 

【4】 『 配当性向 』

 

配当性向とは?

企業が1年間で得た利益のうち、配当金としてどのくらい支払われているかを見る指標です。この比率が仮に一定であったとしても、業績が良ければ必然的に配当金の支払いは多くなるはずですが、日本では「額面に対して何割」というような配当政策すなわち「安定配当」という概念の下で利益に関わらず、基本的にその額を変えない企業が多かったため、配当性向は好業績時には低く、業績低迷時には高くなる傾向がありました。

しかし商法等の改正の影響もあり旧来の50円額面という概念が薄れてきており、なおかつ
「時価発行」での株式発行が「当たり前」になっており、額面をはるかに上回る金額で1株当たりの払い込みや購入をしている株主にとっては、あくまでも自分の投資した金額に対してどうであったか?が関心事であり、この概念はもう古い考え方であると言っても過言ではないと思います。


配当政策基本方針?

配当政策を「株主価値の増大」の経営目標のひとつにかかげる企業も増えてきています。有価証券報告書・決算短信等で「配当政策に関する基本方針」という項目がありますので、会社がこのことをどのように考えているのかも確認しておくべきでしょう。すくなくとも今後は「企業の業績に応じて・・・」という方針が示されている会社を対象とする方向になるでしょう。ただし、企業は将来のための成長も視野にいれて行動しなければいけません。配当が少ない理由・・・たとえば「投資活動」への留保などが明確な場合はこの限りではないでしょう。それ以外で・・・相変わらずの「安定配当」を掲げている会社は・・・・むしろ・・・姿勢が問われることになるでしょう。


求め方

1株当たり配当額/1株当たり当期純利益×100(%)

「当期純利益」を使用する際に一過性・・・つまり『特別損益』が多額に計上されている場合は、そのこと自体は企業の本来 の力とは言えませんので、実質基準として「経常利益」などで試算してみるべきでしょう。


配当性向はどの程度が適正か?

理論的には@税金への支払いA将来の成長のための設備投資への対応B社員への還元・・・・と考えると33.3%と考えるのが普通です。しかしどの項目でもそれは「社外流失」になる訳ですから、その支出が結果として企業の「継続繁栄」につながるものでなければいけません。そのような会社の経営方針もあわせて検討するべきです。