当期純利益(税引き後利益)と一株あたり利益(EPS)

一株あたり利益(EPS)の計算方法 =当期純利益÷発行済み株式数
※EPS=Earning Per Share

✲重点ポイントチェック
当期利益と1株あたり利益が毎年増加傾向にあるかどうか確認します。
この数字が毎年増加傾向にあるということは、この企業は毎年着実に利益を増加させている証拠ですので、長期的に見た場合、株価の上昇が期待できます。ま た、この数字は来期の予想も一緒に乗っていますので、ある程度の参考にはなるでしょう。
ただし、来期以降の諸数値については、企業においては常に「成長する」を前提に経営計画を策定していますので、ここに表される数字はある意味では「期待」の範囲をでていないとも言えます。一年以上も先のことになると、「不透明な部分」もかなりありますので、鵜呑みは危険です

株価収益率(PER) Price Earning Ratio
株価収益率は、株価と利益の関係を表す数字です。単位は「倍」です。

株価収益率の計算方法 = 現在の株価÷1株あたり利益

✲重点ポイントチェック
PERが高い企業
利益に対して、現在の株価が高いことを示します。具体的には・・・
①現状ではあまり利益に貢献をしていない「製品」「事業」の成長性が市場で話題になっている場合。
②不確定な情報による「材料」を背景にした取引増加、仕手化して株価が異常に上昇した場合。
※この状況では、株価上昇に「価値形成」の背景がないので、危険です。

PERが低い企業
利益に対して、現在の株価が低いことを示します。具体的には・・・
①現状での利益が高い状況なのに、株価が安く放置されている。
※これは今後業界水準までは株価が上昇する可能性が大きいことを表している。

業種による人気度の違いもありますので、PERの絶対性での判断はしない方が良いでしょう。同業他社と比較してみるのもひとつの考え方です。ちなみに私なりの判断では、株価収益率は20倍程度までが妥当な値と思います。


株価純資産倍率(PBR) Price Bookvalue Ratio

株価純資産倍率は、企業の一株当たり純資産価値と株価の関係を表す数字です。単位は「倍」です。
株価純資産倍率の計算方法 = 現在の株価÷(株主資本÷発行済み株式数)

PBRが1倍の場合、資産価値(ここでは簿価)と株価が一致していることを表します。1倍よりも大きければ資産価値よりも株価が高く、1倍より小さければ資産価値より株価が低いことをになります。

✲重点ポイントチェック
PBRが高い企業
資産価値に対して株価が高いので、現在の株価では割高だと判断できます

株価収益率が低い企業
1倍未満のPBRの低い企業は、資産価値よりも株価が安いので、現在の株価では割安だと判断します。
ただ、株価純資産倍率も株価収益率と同じで、同業他社と比較してみるのが重要です。

※PBR指標使用上の注意点
現在は以前と比べ金融商品会計、減損会計、除却債務会計等の基準が整備されてきていますが、棚卸商品や売上債権の評価については、明確な基準があるわけではないので、純資産の内容がまだ不透明と言わざるを得ない。固定資産の評価も換金性の面からみた場合は、決して同額の価値があるとは言えず、簿価をもとに計算されているのため、あまり重要視しなくても良いのではないかと私は、考えています。


≪指標等≫
ROA (総資本利益率)    Return On Asset
企業が総資産をどれだけ効率よく利用して利益を上げているかを表す数字です。単位は「%」です。

総資本利益率の計算方法 = 当期利益÷総資本×100

✲重点ポイントチェック
ROAが高いほど、効率的に利益を生み出せていると言えます。原則的にはROAは高ければ高いほど良い。
※「総資本」は「総資産」と同じ意味合いです

ROE(株主資本利益率)    Return On Equity
株主に帰属する資産(自己資本すなわち株主資本)でどれだけ利益を出しているかを表す。

株主資本利益率の計算方法 = 当期利益÷株主資本×100

✲重点ポイントチェック
R
OEが高ければ高いほど良い。
※利益は分析の際、「経常利益」などに置き換えて算出しても構わない。但し、その場合は時系列比較は同じ基準でみること。

総資産と有利子負債の比率

✲重点ポイントチェック
その会社の総資産と有利子負債の比率を見ます。
有利子負債とは利息支払いの対象となる負債のことで、銀行からの借入金や社債などのことです。この比率が高ければ「支払利息」負担が多くなるため、利益を圧迫することになります。適正な利息支払バランスは「インタレスト カバレジ レシオ等で確認するべきです。


株主資本比率

✲重点ポイントチェック
企業の資産の中で株主資本が占める割合のことを、株主資本比率といい、単位は「%」です。
※総資産より負債が多い状態は、「債務超過状態」ですので、十分な注意が必要です。

浮動株

✤銘柄の発行済み株式数の大小で、大型株・中型株・小型株と分類されます。
大型株=2億株以上
中型株=6,000万株以上2億株未満
小型株=6,000万株未満

Dr.Norris

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